2005 |
12,22 |
南都はマフラーに顔を埋めずんずんと歩く。
その得体の知らない人物・千秋が家に棲みついてから早一週間が経過しようとしていた。
この千秋に対する南都の第一印象は最悪だった。
まさか……まさか……、
(あの親父ッ)
南都は心中で父親を詰った。
それもそのはず。
南都のいない間に知らない男を家に上げてたらふく酒を呑んでいるとは! それも父親と同じ年代の男ではなく若い男だなんて南都だって想像だにしなかった。
まさか父子二人の生活、それもうら若き乙女が暮す家にお盛んな若い男を居候させるとは……南都の創造力を遥かに父の非常識ぶりは軽く越えた。
だから、あの日、あの時、障子を開いたときの衝撃といったらそれはもう……。
こら! 親父ッ! また呑んで! と叫ぶために大きく息を吸い、バッと障子を開いたはいいが。……南都が石化したのは言うまでもない。
「お邪魔してまーす。南都ちゃん」
語尾にハートマーク。にっこり微笑むその顔はまさしく遊び人。どうみても軽そう……。
「おー紹介しよー! 南都。千秋くんだー」
……何が千秋くんだ、だ。クソ親父。
誰なのよ!? コイツは!?
と思ったって言葉にできるほど、南都の心と口は連動しない。
そうこうしてるうちに、
「なっちゃん。当分世話になるからヨロシク~」
「!!」
今、なんと言った。酔っぱらい……?
「南都~。ま、そういうことだから~」
「…………」
世話になるって世話になるって……。
「……――て、どういうことよ……!?」
「そういうことだ」
ばっと南都の鋭い視線が刺さろうと意にも介さず親父は、お猪口に注がれた日本酒をくいっと飲み干してほざいた。
そして、
「あんたの親父さん。気前いいよなぁ。朝のお勤めと夜の晩酌付き合えば、三食昼寝付きだってよ!」
乗らない手はないばかりににっと笑う不審人物。
(……信じられない。……信じられない。……付いてけない。……付いてけない)
と、南都が思うのも無理はないだろう。というか、普通の反応だ。が、この家の法律はなんだかんだと父親で。
不審人物と父親は南都を輪の外にすでに違う話題で盛り上がっていて……!
父親自身に相手を追い出す気がなければ……。あとは――、
その得体の知らない人物・千秋が家に棲みついてから早一週間が経過しようとしていた。
この千秋に対する南都の第一印象は最悪だった。
まさか……まさか……、
(あの親父ッ)
南都は心中で父親を詰った。
それもそのはず。
南都のいない間に知らない男を家に上げてたらふく酒を呑んでいるとは! それも父親と同じ年代の男ではなく若い男だなんて南都だって想像だにしなかった。
まさか父子二人の生活、それもうら若き乙女が暮す家にお盛んな若い男を居候させるとは……南都の創造力を遥かに父の非常識ぶりは軽く越えた。
だから、あの日、あの時、障子を開いたときの衝撃といったらそれはもう……。
こら! 親父ッ! また呑んで! と叫ぶために大きく息を吸い、バッと障子を開いたはいいが。……南都が石化したのは言うまでもない。
「お邪魔してまーす。南都ちゃん」
語尾にハートマーク。にっこり微笑むその顔はまさしく遊び人。どうみても軽そう……。
「おー紹介しよー! 南都。千秋くんだー」
……何が千秋くんだ、だ。クソ親父。
誰なのよ!? コイツは!?
と思ったって言葉にできるほど、南都の心と口は連動しない。
そうこうしてるうちに、
「なっちゃん。当分世話になるからヨロシク~」
「!!」
今、なんと言った。酔っぱらい……?
「南都~。ま、そういうことだから~」
「…………」
世話になるって世話になるって……。
「……――て、どういうことよ……!?」
「そういうことだ」
ばっと南都の鋭い視線が刺さろうと意にも介さず親父は、お猪口に注がれた日本酒をくいっと飲み干してほざいた。
そして、
「あんたの親父さん。気前いいよなぁ。朝のお勤めと夜の晩酌付き合えば、三食昼寝付きだってよ!」
乗らない手はないばかりににっと笑う不審人物。
(……信じられない。……信じられない。……付いてけない。……付いてけない)
と、南都が思うのも無理はないだろう。というか、普通の反応だ。が、この家の法律はなんだかんだと父親で。
不審人物と父親は南都を輪の外にすでに違う話題で盛り上がっていて……!
父親自身に相手を追い出す気がなければ……。あとは――、
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