2005 |
12,23 |
「で、どうなのよ?」
「……どうなのよってなにが?」
「こらこら。とぼけんじゃないよ」
「……」
「あんたんところの居候さん」
で? で? と顔に書いてある友人を前にして、南都は溜め息を吐いた。
「べつに……」
南都は安いが美味い学食のチキンソテーを頬張った。
「あんたねー……。あれだけ格好イイ人を前にしてその反応はどうかと思うよ?」
と、言われても。
彼女は見ていない。呑んだくれている奴の姿を。親父みたいにぷはぁあと日本酒を呑む奴の姿を。大の字になって腹をぽんぽんしながら寝る奴の姿を。
一緒に過ごしていれば、見なくてもいい姿を見てしまうものなのだ。どんなに見てくれが良くても――。
「千尋は……」
南都は一旦箸を置いて湯飲みを手にした。
「あれのどこがいいのよ?」
南都の親友、片岡千尋は好奇心旺盛に南都の家の居候を見に来たのだ。
「え! だってあの笑顔~」
千尋の周りにハートがぱっと散った。
「…………」
「たまんないわ~。それにあの予想を裏切らない美声!」
いっそう私のことなど気にせず告ってしまえ、と思うほど千尋は冷めていた。
それが伝わったのだろうか。
「……どうなのよってなにが?」
「こらこら。とぼけんじゃないよ」
「……」
「あんたんところの居候さん」
で? で? と顔に書いてある友人を前にして、南都は溜め息を吐いた。
「べつに……」
南都は安いが美味い学食のチキンソテーを頬張った。
「あんたねー……。あれだけ格好イイ人を前にしてその反応はどうかと思うよ?」
と、言われても。
彼女は見ていない。呑んだくれている奴の姿を。親父みたいにぷはぁあと日本酒を呑む奴の姿を。大の字になって腹をぽんぽんしながら寝る奴の姿を。
一緒に過ごしていれば、見なくてもいい姿を見てしまうものなのだ。どんなに見てくれが良くても――。
「千尋は……」
南都は一旦箸を置いて湯飲みを手にした。
「あれのどこがいいのよ?」
南都の親友、片岡千尋は好奇心旺盛に南都の家の居候を見に来たのだ。
「え! だってあの笑顔~」
千尋の周りにハートがぱっと散った。
「…………」
「たまんないわ~。それにあの予想を裏切らない美声!」
いっそう私のことなど気にせず告ってしまえ、と思うほど千尋は冷めていた。
それが伝わったのだろうか。
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