2005 |
12,25 |
「…………」
「…………」
時間はただ静かに流れていく。
夕食が済めば、食後のお茶をすすり、何気無しにテレビ番組を見ながらコタツにいっそう深く潜りこんでみたり、雑誌や新聞を開いてみたり。
「なぁ。南都」
「…………」
雑誌を眺めながら、自分が呼ばれていると脳に達するまで少々時間を要した。
(『南都』――?)
南都は顔を上げた。
居候が南都を呼び捨てで呼ぶのは珍しかった。というより、初めてかもしれない。
けれど、居候の視線はテレビに釘付けだ。南都を見ていない。
「……何?」
ぼーっとした居候の視線はやはり相変わらずテレビ画面上だ。
んー……と唸って、何するふうもなく首を軽く傾げた。
「来週、暇?」
「…………」
暇だったら何なのか。
「出かけないか?」
居候はゆっくりと南都へと顔を向けた。
あ、と南都は目をみはった。
こういう顔も出来るのか……、と。
だから、自然と、どこへ? と問い返していた。
「そうだな」
――町に出たいと思う。
なんだろう。そう言われて南都はその誘いを断る気にはなれなかった。
「だからって!!」
こういうことは早く言えよ! と居候・千秋の前をずんずん歩く南都が一週間後の町中にあった。
きしくもそれはクリスマス・イブの日だったりする……!
「そんなに怒るなよ」
南ぁー都、なんて言って後ろからついてくる居候が心底恨めしいと思う南都であった。
嗚呼、この居候……世の中を舐めているとしか思えないッ! と南都は憤慨中なのは言うまでもなく。心中では、信じられない……、信じられない……! が連呼&こだましていた。
けれど、この居候……南都の怒りなどまったく気にすることもなく……。
南都南都南都と――ッ
(しつこいッ!)
とうとう南都の足はぴたりと立ち止まり、くるりと方向転換した。
「南都南都と……町中で大声で呼ばないでよ! 恥ず―――」
――か、しい……。
南都は我慢の限界だったが??睨んだ先を見て……固まった。
カッと血が昇るのが南都自身が分かるぐらいに勢いよく頭に血が昇った。もし血圧メーターがあったなら限界まで一気に上昇し、測定不能としたのは間違いない。
嗚呼……何でコイツはこんなに余裕な表情なのだ……。
「…………」
時間はただ静かに流れていく。
夕食が済めば、食後のお茶をすすり、何気無しにテレビ番組を見ながらコタツにいっそう深く潜りこんでみたり、雑誌や新聞を開いてみたり。
「なぁ。南都」
「…………」
雑誌を眺めながら、自分が呼ばれていると脳に達するまで少々時間を要した。
(『南都』――?)
南都は顔を上げた。
居候が南都を呼び捨てで呼ぶのは珍しかった。というより、初めてかもしれない。
けれど、居候の視線はテレビに釘付けだ。南都を見ていない。
「……何?」
ぼーっとした居候の視線はやはり相変わらずテレビ画面上だ。
んー……と唸って、何するふうもなく首を軽く傾げた。
「来週、暇?」
「…………」
暇だったら何なのか。
「出かけないか?」
居候はゆっくりと南都へと顔を向けた。
あ、と南都は目をみはった。
こういう顔も出来るのか……、と。
だから、自然と、どこへ? と問い返していた。
「そうだな」
――町に出たいと思う。
なんだろう。そう言われて南都はその誘いを断る気にはなれなかった。
「だからって!!」
こういうことは早く言えよ! と居候・千秋の前をずんずん歩く南都が一週間後の町中にあった。
きしくもそれはクリスマス・イブの日だったりする……!
「そんなに怒るなよ」
南ぁー都、なんて言って後ろからついてくる居候が心底恨めしいと思う南都であった。
嗚呼、この居候……世の中を舐めているとしか思えないッ! と南都は憤慨中なのは言うまでもなく。心中では、信じられない……、信じられない……! が連呼&こだましていた。
けれど、この居候……南都の怒りなどまったく気にすることもなく……。
南都南都南都と――ッ
(しつこいッ!)
とうとう南都の足はぴたりと立ち止まり、くるりと方向転換した。
「南都南都と……町中で大声で呼ばないでよ! 恥ず―――」
――か、しい……。
南都は我慢の限界だったが??睨んだ先を見て……固まった。
カッと血が昇るのが南都自身が分かるぐらいに勢いよく頭に血が昇った。もし血圧メーターがあったなら限界まで一気に上昇し、測定不能としたのは間違いない。
嗚呼……何でコイツはこんなに余裕な表情なのだ……。
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