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だ、駄文

二次創作のくだらない駄文置き場
2024
11,27

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2008
04,21
「で?」
「ん?」
 俺は脱線しかけた思考を現実に戻した。
「親父に用事があったんじゃないのか」
 ああ、と南都は今思い出した! というように相槌を打つ。こういう惚けた態度は親子なだけ栄明とよく似ていると思う。
「ちょっと頼まれちゃってね……」
 何を? と俺が尋ね返せば、南都は微妙な笑みを浮かべた。
 絶対ぇコイツは俺が聞かなければ、煙に巻く気満々だったのだ。今だっていかにはぐらかそうか思案中なはずだ。
「……あのなぁ、南都」
 俺はほんの少し声のトーンを下げた。
「何かがあってからじゃ、遅ぇんだぞ?」
 そう、南都に何かがあってからじゃ遅いのだ。なんだか分からない栄明の信頼の下に俺は現在、彼女の保護者とみなされている。まぁ、南都にとっては不本意だろうが。
 案の定、彼女の眉は感情を表現してみせた。
「おめーが警察とか救急車の世話になったら、て考えたことあるか?」
「…………」
「俺たちの関係をどう説明するつもりなんだ?」
 実は問題はそれだけじゃない。突き詰められると非常に困ることが多い。
 例えば、俺の素性についてや、住職代理のくせに坊主の免許が無いことについてなどである。対外的に寺としての面子がよくないことが多く、近所の評判が悪くなることが殆どだ。
 そんなことも分からないほど南都も馬鹿ではない。
 南都はふーッと息を吐いて肩を竦めた。
「これから話す話を信じる信じないは……千秋に任せるわ」
「…………」
「ただ世の中には存在するのは目に見えるだけのものじゃないこと」
 淡々と語るのは、信じてないからではないだろう。信じてるからこそ声音は平静を保とうと動く。
「父さんはそういった類いのものを相手にしてた」
 信じるも信じないも――南都が言わんとすることは。
 俺は心中で嘆った。
 ああ、分かってるさ。……俺が俺の領域(テリトリー)から逃れられないことなんて……とうの昔に分かってる。いつかはまた直面する――『現実』。
 俺は静かに南都の次の言葉を待った。
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