2005 |
12,30 |
俺も南都もふーんぐらいな感想だった。
「で、節分まで帰れない」
俺はへーと思った程度だが、
「…………」
ガタッと膝立ちのうえ、机が揺れた。
「――!?!!」
聞き流せなかったのは、
「正月どーすんのよ!?」
南都だった。
俺はというと、まだこの時点で危機感はなかった。
「大晦日は!? 除夜の鐘突きは!? 初祈願は!? 檀家の接待は!? 修正会は!?」
よくも口が回るものだとまくしたてる南都を横目に俺は欠伸を噛み殺した。
「……。千秋くんに、任せる」
…………。
ん?
「…………」
は?
俺と南都は顔を見合わせた。突然話を振られた俺もまくしたてていた南都も寝耳に水で……。
はぁぁァアア!?
「馬鹿かッ、お前は!?」
「何考えてるのよ!?」
「俺は坊主じゃねーぞ!」
「そうよ! 何言いだしてんのよ! 無理よ!」
猛然と俺と南都は目の前の馬鹿男に食い下がったが、どこ吹く風だ。
「千秋くんならできる! 心配ない!」
「心配ないじゃない! そういう問題じゃない!」
「そうだ。そういう問題じゃない! 第一こういう場合は代わりの僧が派遣されるってもんじゃねーのか!?」
「それはできない」
「なんでよ!?」
「なんでだよ!?」
栄明の言い分に俺たちの疑問はハモられた。
「人手が足りなくて呼び出しをくらったんだ。代理を寄越せなんて言えないだろう」
それに、と嘆息混じりに言って、
「高野から派遣されてきて困るのは千秋くんだろう?」
南都がどういう意味よ!? と騒ぎ立てている横で俺は詰まった。
確かに俺は高野山や比叡山で暴れてはいない。が、高野山では――……。
散々、大将と旦那が暴れているし、裏四国まで成し遂げてしまっている。やった本人でなくとも同じ結縁者となれば……、まして換生者ともなれば――。
「――あんた、何者んだよ……?」
最初から何かと怪しかったが、この時、初めて俺はその疑問を口にした。
にこにこ微笑っているが、コイツは――。
「それはこっちの台詞よーッ!」
「!」
思わぬところから声が上がり、そのうえ襟首を掴まれ、
「な、南都ぅ!?」
「前々から怪しいとは思ってたのよ!」
「く、苦しい……」
「さあ、白状しなさーいー!」
「で、節分まで帰れない」
俺はへーと思った程度だが、
「…………」
ガタッと膝立ちのうえ、机が揺れた。
「――!?!!」
聞き流せなかったのは、
「正月どーすんのよ!?」
南都だった。
俺はというと、まだこの時点で危機感はなかった。
「大晦日は!? 除夜の鐘突きは!? 初祈願は!? 檀家の接待は!? 修正会は!?」
よくも口が回るものだとまくしたてる南都を横目に俺は欠伸を噛み殺した。
「……。千秋くんに、任せる」
…………。
ん?
「…………」
は?
俺と南都は顔を見合わせた。突然話を振られた俺もまくしたてていた南都も寝耳に水で……。
はぁぁァアア!?
「馬鹿かッ、お前は!?」
「何考えてるのよ!?」
「俺は坊主じゃねーぞ!」
「そうよ! 何言いだしてんのよ! 無理よ!」
猛然と俺と南都は目の前の馬鹿男に食い下がったが、どこ吹く風だ。
「千秋くんならできる! 心配ない!」
「心配ないじゃない! そういう問題じゃない!」
「そうだ。そういう問題じゃない! 第一こういう場合は代わりの僧が派遣されるってもんじゃねーのか!?」
「それはできない」
「なんでよ!?」
「なんでだよ!?」
栄明の言い分に俺たちの疑問はハモられた。
「人手が足りなくて呼び出しをくらったんだ。代理を寄越せなんて言えないだろう」
それに、と嘆息混じりに言って、
「高野から派遣されてきて困るのは千秋くんだろう?」
南都がどういう意味よ!? と騒ぎ立てている横で俺は詰まった。
確かに俺は高野山や比叡山で暴れてはいない。が、高野山では――……。
散々、大将と旦那が暴れているし、裏四国まで成し遂げてしまっている。やった本人でなくとも同じ結縁者となれば……、まして換生者ともなれば――。
「――あんた、何者んだよ……?」
最初から何かと怪しかったが、この時、初めて俺はその疑問を口にした。
にこにこ微笑っているが、コイツは――。
「それはこっちの台詞よーッ!」
「!」
思わぬところから声が上がり、そのうえ襟首を掴まれ、
「な、南都ぅ!?」
「前々から怪しいとは思ってたのよ!」
「く、苦しい……」
「さあ、白状しなさーいー!」
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