2005 |
04,02 |
«-偶然-22 »
「いや、だって――」
だってもクソもあっか!
「俺、直江さんにだまされたのかな……」
今日が今日だしな、とガシガシと頭をかきながら目の前の小僧は唸っている。
「……」
バカヤロウ。
どいつもこいつもバカばかりだ。
そんなことで悩むなよ。全く。
「……奢ってやると言ったが前言撤回だ」
え?と、こちらを振り仰ぐ鳥越。にやりと受け止める俺。
ゴツリ
「――ッてーェェえ!」
何すんですか!?という抗議の声を余所に俺は煙草とライターを取り出した。
カチリと点けた炎を手で包みこむと、よりいっそう淡く明るさを増す。
「鳥越」
だってもクソもあっか!
「俺、直江さんにだまされたのかな……」
今日が今日だしな、とガシガシと頭をかきながら目の前の小僧は唸っている。
「……」
バカヤロウ。
どいつもこいつもバカばかりだ。
そんなことで悩むなよ。全く。
「……奢ってやると言ったが前言撤回だ」
え?と、こちらを振り仰ぐ鳥越。にやりと受け止める俺。
ゴツリ
「――ッてーェェえ!」
何すんですか!?という抗議の声を余所に俺は煙草とライターを取り出した。
カチリと点けた炎を手で包みこむと、よりいっそう淡く明るさを増す。
「鳥越」
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2005 |
04,01 |
«-偶然-21 »
四月一日。
またの名を四月馬鹿の日とも言う。
「忘れてたんすか……?」
あんぐりと馬鹿丸出しの顔を晒けだしやがって……。
悪かったな。どうせ忘れてたさ。け、だけどな何故にオマエにんな顔をされなきゃならない?
大体、この宿体とは無関係ではないか。それに、
「何でおまえが知ってんだよ?」
俺はコイツに教えた覚えはない!だいたいコイツの初は俺様が霊体の時だ!コイツは生身の『千秋修平』を知らない。
「――」
――違うんっすか?
「……ッ」
ありありと顔で語るなッ このバカッ 違うなんて一言も言ってないだろが!
またの名を四月馬鹿の日とも言う。
「忘れてたんすか……?」
あんぐりと馬鹿丸出しの顔を晒けだしやがって……。
悪かったな。どうせ忘れてたさ。け、だけどな何故にオマエにんな顔をされなきゃならない?
大体、この宿体とは無関係ではないか。それに、
「何でおまえが知ってんだよ?」
俺はコイツに教えた覚えはない!だいたいコイツの初は俺様が霊体の時だ!コイツは生身の『千秋修平』を知らない。
「――」
――違うんっすか?
「……ッ」
ありありと顔で語るなッ このバカッ 違うなんて一言も言ってないだろが!
2005 |
04,01 |
«-偶然-20»
え?
――俺達は会話の成り立つ領域に対峙した。
「……」
――誕、生日?……たんじょうび??
「……まさか――」
「……――あ」
キーワードは連想ゲームのそれのように矢印で繋がれて、一つの言葉にたどりつかせていく。
繋がりゃなんてことはない。腑に落ちるってもんだ。
そういえば、今日は――、
確かにコイツの言うとおり今の今まで忘れていた。
「――……」
今日は――、
――『千秋修平』が産まれた日。
――だ。
――俺達は会話の成り立つ領域に対峙した。
「……」
――誕、生日?……たんじょうび??
「……まさか――」
「……――あ」
キーワードは連想ゲームのそれのように矢印で繋がれて、一つの言葉にたどりつかせていく。
繋がりゃなんてことはない。腑に落ちるってもんだ。
そういえば、今日は――、
確かにコイツの言うとおり今の今まで忘れていた。
「――……」
今日は――、
――『千秋修平』が産まれた日。
――だ。
2005 |
04,01 |
«-偶然-19»
なんも用意出来ないじゃないですか、と言って??、
ずいっと眼前に差し出してきたのは、重たそうなコンビニ袋。
「……――なにこれ……」
「まんまっすよ。決まってんでしょ?」
酒です。
て、なんでそれを俺が受け取らにゃならないだ!?……いや――なんか目茶苦茶態度が受け取れって言ってっから思わず受けとっちまったが……。
受け取る必要ないだろ?
「?」
眉を潜める俺と豪岸不遜に睨みあげてくる仁王立ちの相手方。
けど、妙な沈黙が次元を歪め始めて、
「――て、今日……千秋さんの誕生日でしょ?」
「……」
え?
ずいっと眼前に差し出してきたのは、重たそうなコンビニ袋。
「……――なにこれ……」
「まんまっすよ。決まってんでしょ?」
酒です。
て、なんでそれを俺が受け取らにゃならないだ!?……いや――なんか目茶苦茶態度が受け取れって言ってっから思わず受けとっちまったが……。
受け取る必要ないだろ?
「?」
眉を潜める俺と豪岸不遜に睨みあげてくる仁王立ちの相手方。
けど、妙な沈黙が次元を歪め始めて、
「――て、今日……千秋さんの誕生日でしょ?」
「……」
え?
2005 |
03,31 |
«-偶然-18 »
……忘れて――、
「――ねえよ」
「嘘だ!ほらまた視線そらした!」
「なッ 目線反らしたぐらいで――」
「分かりますよ!何年付き合ってっと思ってんすか!」
思わず閉口して俺は目を瞬たいた。
まさか目の前の野郎からそんな言葉が飛び出すとは思わなかった。そんなにも時間は流れて……。
「携帯繋がんないし、今日が今日だけに、まさかと思って直江さんに電話してみれば、ホントに東京戻ってるって言うし……」
相手は怒っているようであれ、情けないようであれ――、
「戻るなら戻るって本ッ当先言ってくださいよ……」
「――ねえよ」
「嘘だ!ほらまた視線そらした!」
「なッ 目線反らしたぐらいで――」
「分かりますよ!何年付き合ってっと思ってんすか!」
思わず閉口して俺は目を瞬たいた。
まさか目の前の野郎からそんな言葉が飛び出すとは思わなかった。そんなにも時間は流れて……。
「携帯繋がんないし、今日が今日だけに、まさかと思って直江さんに電話してみれば、ホントに東京戻ってるって言うし……」
相手は怒っているようであれ、情けないようであれ――、
「戻るなら戻るって本ッ当先言ってくださいよ……」
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