2004 |
10,30 |
「行かせると思うのか」
「私は景虎様に殉じていきる――」
――人間です。
「……」
強風がさらう。
「勘違いするなよ。私の覚悟がおまえの覚悟に勝てる気がしないからだ」
「色部さん…」
白い羽が舞う。固く芯の通った羽。
「景虎殿を死なすなよ」
直江は一礼をして翼を広げた。
「……」
門へと向かう直江を見送り、
「――これで一人になったわけか…」
皆が旅立って天界に残るのは、色部だけ。
コートの裾が翻る。
行かせてしまったことに後悔はない。
「私がここにいれば?いい」
けど、大将は景虎殿、あなただ。
「私は景虎様に殉じていきる――」
――人間です。
「……」
強風がさらう。
「勘違いするなよ。私の覚悟がおまえの覚悟に勝てる気がしないからだ」
「色部さん…」
白い羽が舞う。固く芯の通った羽。
「景虎殿を死なすなよ」
直江は一礼をして翼を広げた。
「……」
門へと向かう直江を見送り、
「――これで一人になったわけか…」
皆が旅立って天界に残るのは、色部だけ。
コートの裾が翻る。
行かせてしまったことに後悔はない。
「私がここにいれば?いい」
けど、大将は景虎殿、あなただ。
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2004 |
10,26 |
「高耶さん」
なんでおまえの腕は暖かいのだろう。この腕を放したくない。けど――、
千秋は自らの意思で去ってみせたならば。
高耶はギュッと目を瞑り、
「??さよなら、直江」
突き放す。
「判っていた。おまえに会えたことがオレの幸福だったこと――」
高耶も選ばねばならない。進むべき道を!
「高耶さん!行ってはならないッ」
涙を振りちぎらんばかりに目尻に力を込めて、
高耶の瞳には、薬で動けない直江だけが映っていて、
――微笑んだ。
高耶は振り向くことなく、純白の翼をはためかせた。大いなる空へと!羽が舞う
なんでおまえの腕は暖かいのだろう。この腕を放したくない。けど――、
千秋は自らの意思で去ってみせたならば。
高耶はギュッと目を瞑り、
「??さよなら、直江」
突き放す。
「判っていた。おまえに会えたことがオレの幸福だったこと――」
高耶も選ばねばならない。進むべき道を!
「高耶さん!行ってはならないッ」
涙を振りちぎらんばかりに目尻に力を込めて、
高耶の瞳には、薬で動けない直江だけが映っていて、
――微笑んだ。
高耶は振り向くことなく、純白の翼をはためかせた。大いなる空へと!羽が舞う
2004 |
10,25 |
「このバカッ」
「千秋!」
「何でこんなところにきたッ」
掬い上げるように白い翼を持つ高耶を抱きかかえて飛ぶ。
「千秋…その翼」
数日前まで純白であった翼が。
「堕ちる気、なのか…?」
「……」
黒い羽が舞う。憎たらしく口を歪め、
「おまえには関係ないだろ。さっさと戻れ」
いやだ!間髪いれず高耶は叫んだ。
千秋を包んで舞い散る白と黒の羽。その隙間から――、
――あばよ。
笑みが覗いた。
「…千秋」
高耶は呆然と見送った。魔王の元へと向かう彼を、彼の決意を。
彼の羽は全てが漆黒に染まるのだろうか…
「千秋!」
「何でこんなところにきたッ」
掬い上げるように白い翼を持つ高耶を抱きかかえて飛ぶ。
「千秋…その翼」
数日前まで純白であった翼が。
「堕ちる気、なのか…?」
「……」
黒い羽が舞う。憎たらしく口を歪め、
「おまえには関係ないだろ。さっさと戻れ」
いやだ!間髪いれず高耶は叫んだ。
千秋を包んで舞い散る白と黒の羽。その隙間から――、
――あばよ。
笑みが覗いた。
「…千秋」
高耶は呆然と見送った。魔王の元へと向かう彼を、彼の決意を。
彼の羽は全てが漆黒に染まるのだろうか…
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