2004 |
11,09 |
「裏切り者ォ!」
「……」
降り注がれる視線には揺らぐ感情などない。
「何とでも言え」
綾子は唇を噛み締めた。
決して自分では彼の心には届かないのだ。
目尻の浮かぶ水玉は悲嘆からではない。憤激からだ。
何故なんて聞かない。解りきってるから。これが彼なりの決断で決意の表れだから。
どんなに姿を変えようとその傲慢な瞳だけは変わらない。
「裏切り者!私はあんたを許さない!」
その瞳に嘲笑さえ映して、
「せいぜい生きがってろよ」
意思ある言葉。
彼を動かせるのは彼自身と、
(――景虎…あんただけなのよ!)
「……」
降り注がれる視線には揺らぐ感情などない。
「何とでも言え」
綾子は唇を噛み締めた。
決して自分では彼の心には届かないのだ。
目尻の浮かぶ水玉は悲嘆からではない。憤激からだ。
何故なんて聞かない。解りきってるから。これが彼なりの決断で決意の表れだから。
どんなに姿を変えようとその傲慢な瞳だけは変わらない。
「裏切り者!私はあんたを許さない!」
その瞳に嘲笑さえ映して、
「せいぜい生きがってろよ」
意思ある言葉。
彼を動かせるのは彼自身と、
(――景虎…あんただけなのよ!)
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