2004 |
11,22 |
«色の日常»
「直江殿は今生の景虎様の妹ぎみ、美弥様のもとを訪れた模様です」
「……」
聞かなくともその結果など色部は知っている。
なにせそこは景虎が姿を消してからマークし続けている場所の一つだ。
「念のためでしょうね」
「相手は景虎殿だ。そう簡単に我々に行方を掴ませてはくれない」
椅子を回して窓へと視線を流す。
白い流雲。太陽が見えなくとも十分明るい空…。
「八海…引き続き景虎の捜索を。分かっているとは思うが――」
くれぐれも内密に。
「ええ、努力致しまする」
愛しい我が子同然の貴殿を失いたくはないのだ。
「……」
聞かなくともその結果など色部は知っている。
なにせそこは景虎が姿を消してからマークし続けている場所の一つだ。
「念のためでしょうね」
「相手は景虎殿だ。そう簡単に我々に行方を掴ませてはくれない」
椅子を回して窓へと視線を流す。
白い流雲。太陽が見えなくとも十分明るい空…。
「八海…引き続き景虎の捜索を。分かっているとは思うが――」
くれぐれも内密に。
「ええ、努力致しまする」
愛しい我が子同然の貴殿を失いたくはないのだ。
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