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だ、駄文

二次創作のくだらない駄文置き場
2024
11,27

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2005
03,29
さりげなく俺の視線を誘導した先にあったのは皮で出来た小さめな札。ここに名前を書くのだ。
(ここ、に――名前……か)
今更ながらであるが、感慨深いものだ。
ここに自分の名前を書く。それだけのことなのだが――、
「お客様?」
「……悪ィ、もう一つこれくれねえ?」
明らかに不信の表情を店員はしたが、一向に構うことなくマーカーの蓋を取って名前を書き込む。そして、もう一枚にも??。
「これで良し!」
二つの札が掛けられたボトル。改めて見ても笑みが雫れずにはいられない。
ちょっとしたお遊びにしかすぎないが――、
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2005
03,29
足跡を残したいと想うのは、女々しいのだろうか。
数枚の紙幣をキャッシャーに差し出しつつ俺の視線はさ迷って。
「ここキープできんの?」
バーテンの背後に並ぶ種々のボトルを捉えた。それぞれの似通った瓶に札が掛けられている。
「ええ、はい」
俺の視線を追ってキャッシャーの店員も振り仰ぐ。
「できますよ」
――しますか?
「ああ、何がある?」
種類は少ないですが、と差し出して見せてきたメニュー表はそれでも他の店に比べれば格が違う。こんな店は滅多にお目にかかれるものではない。
「あと、これに名前お願いしますね」
2005
03,28
「ありがとさん」
一気に飲み干した水は火照った身体の中を勢い良く流れ落ちていった。その冷たさが俺を現実に引き戻す。
「チェック頼むわ」
「かしこまりました」
ふわりと地面に着地して自然に出た成り行きの言葉は俄に店内の空気を揺らす。
やはり店は店にすぎない。別れ際、誰もが時間(とき)を止められないのを知っていて、それでも惜別に言葉を失って。
引き留められる何かがここにはない。
ここはアノ場所ではない。
「……」
「二千と二百三十円になります」
アノ??場所は……もう記憶の中にしかないのだ。
それでも――、
2005
03,20
「――お客様?」
「!?」
はたと俺は顔あげた。
目の前――カウンター越しにバーテンダーが何故かいる。
踊った俺の目線は暫く泳ぎ続けたが、最後は行き場を失って……バーテンの元へと戻った。
気まずい空気を破るのは、さすが客商売
大丈夫ですか?という言葉とともに差し出されるのは??、
「……」
思わず苦笑いを漏らした。
相手は芯の通った隙のない笑み。
誰かさんを彷彿とさせられての苦笑だった。こんなもんだされたら??、
(――追加できねーじゃん)
俺はカウンター越しの笑みとともに届けられたお冷やを摘まみ持ち上げた。
2005
03,19
えてして、いつの間にか誰ともなく集って酒を酌み交わすようになった。静かに始められたそれは五人の安堵が重なって密やかに甘く――しんみりと――、
――……は、いかねえなあ。
けど、それでも寄り処となったあの宴で笑い合った。痩せ我慢だったかもしんねえけど、それでも――笑いあったんだ。俺達は。
桜の下、紅葉の下、雪の上、浜の上。??誰ともなく集まって。今も鮮明に思い出せる記憶の潮流。
「……」
俺は軽くグラスに口付けた。
「――……」
ここはあの記憶と重なる。全てを呑み込んで赦されて存在るが応なあの場所に

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