2005 |
10,19 |
«31»
――気にするな。アイツこれぐらいしか取り柄ねえんだから~。
――……。
――あ!待てよ。取り柄と言えばもう一つあったな。
――……何だ?
『景虎のストーカー!』
――……。
訊け、と言う無言の圧力に屈したことを清正正は後悔した。
笑って言える神経が分からない……と、思う。
少なくとも笑えないジョークだと清正は思うのだが――……。
隣は――、
(……はぁ)
……悪びれてもいないで得意気な顔をしている。
(――これでいいのだろうか……?)
――……。
――あ!待てよ。取り柄と言えばもう一つあったな。
――……何だ?
『景虎のストーカー!』
――……。
訊け、と言う無言の圧力に屈したことを清正正は後悔した。
笑って言える神経が分からない……と、思う。
少なくとも笑えないジョークだと清正は思うのだが――……。
隣は――、
(……はぁ)
……悪びれてもいないで得意気な顔をしている。
(――これでいいのだろうか……?)
2005 |
10,18 |
«30»
「さーてとッ」
通話を切ると背伸びをした。両腕を天へと投げ出してまるで猫のように。
そして、ピシッとした見惚れるような歩きを披露してネオン街へと向かいはじめた。
だが、隣行く男は歩き出して早々――、
「なに奢らせてやろうか――」
と、……呟いた。否、宣った。
思わず一歩引きたくなるような悪戯な微笑を携えて――瞳はキラキラとネオンの光を乱反射させている。
「どうした?清正」
「いや」
清正はぎこちなく視線を反らして言葉を濁した。濁して?話題を変えた。
「……。本当にいいのか?」
「いいって、いいって~」
相手は上機嫌だ。
通話を切ると背伸びをした。両腕を天へと投げ出してまるで猫のように。
そして、ピシッとした見惚れるような歩きを披露してネオン街へと向かいはじめた。
だが、隣行く男は歩き出して早々――、
「なに奢らせてやろうか――」
と、……呟いた。否、宣った。
思わず一歩引きたくなるような悪戯な微笑を携えて――瞳はキラキラとネオンの光を乱反射させている。
「どうした?清正」
「いや」
清正はぎこちなく視線を反らして言葉を濁した。濁して?話題を変えた。
「……。本当にいいのか?」
「いいって、いいって~」
相手は上機嫌だ。
2005 |
10,17 |
«29»
「おまえ今どこにいる?あのさ――……」
にんまりと声色通りの表情をして……。
(……)
安田長秀という男――やはり……よく解らない。
と、唖然と事の成り行きを見守る清正であった。
それにしても四百年をも共にした仲間だろうに……。それも唯一この世に残る仲間では――ないのか……?
「!」
すると出し抜けに奴と視線がぶつかった。電話片手にニッと笑って片目を瞑られる。
「んじゃ待ち合わせは――」
……どうやら『金ヅル』確保が成功した合図だったようだが、どうも心臓に悪い……。
が、相手はまったく気にしていない。
にんまりと声色通りの表情をして……。
(……)
安田長秀という男――やはり……よく解らない。
と、唖然と事の成り行きを見守る清正であった。
それにしても四百年をも共にした仲間だろうに……。それも唯一この世に残る仲間では――ないのか……?
「!」
すると出し抜けに奴と視線がぶつかった。電話片手にニッと笑って片目を瞑られる。
「んじゃ待ち合わせは――」
……どうやら『金ヅル』確保が成功した合図だったようだが、どうも心臓に悪い……。
が、相手はまったく気にしていない。
2005 |
10,16 |
«28»
何事もなかったように真剣に悩みだす隣の男は、やがて立ち止まりぽんっと手を打った。
――そうだ!直江を呼ぼう!
さも、名案だとばかりに……。
――……?
――東京って場所はなあ。金かければかけるほど美味いものが食えんだよ。
――……。
それはつまり、タカるということか!?
――そなた……直江を何だと思っておるのだ?
――あ?んなの決まってんじゃん~。
『金ヅル』
――……。
――悪いか。
さも当然とばかりにのたまって、
喜々として携帯電話を取り出す。
(……)
「あ、直江ー?」
「……」
――そうだ!直江を呼ぼう!
さも、名案だとばかりに……。
――……?
――東京って場所はなあ。金かければかけるほど美味いものが食えんだよ。
――……。
それはつまり、タカるということか!?
――そなた……直江を何だと思っておるのだ?
――あ?んなの決まってんじゃん~。
『金ヅル』
――……。
――悪いか。
さも当然とばかりにのたまって、
喜々として携帯電話を取り出す。
(……)
「あ、直江ー?」
「……」
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