«世界は俺色に染まる２０»

いや、故意に気付かない振りをしたのかもしれない。
その感情に名前を付けるとするならば、

――罪悪感。

である。
あのすがる眼差しを振りきったことに対する代償。それがその名である。
悲しくも――……強い、眼差しが伏せられる。街灯の光をはね返す眼鏡の奥にしまう想いは……。
捕らわれれば、動けなくなる、と……その時思った。だから、背を向けた。見てはならないと。そして、あの手を振りきったのだ。行き場を失うと知っていて振りきった……。