2005 |
10,02 |
«17»
正は咄嗟に何かを言い返そうとして肺を膨らませた。だが、上手い反撃が見当たらない!
そうだった…コイツはこういう奴だったのだ。どっちに転んでも癪に障って――、
「ふん、貴様の助けなどいらぬわッ!」
と言い返すのが清正にとって精一杯だった。それでも口惜しさを精一杯の反抗に変えてそっぽを向いてやる。
――が、
「――殺してねえだろうな?」
「誰が殺すかッ」
無礼極まったもの言いに思わず反論してしまうが、
「そう言うなよ。後々偽装工作が大変なんだからよ。正直に言ってくれよ」
「誰にモノを言っているッ!」
そうだった…コイツはこういう奴だったのだ。どっちに転んでも癪に障って――、
「ふん、貴様の助けなどいらぬわッ!」
と言い返すのが清正にとって精一杯だった。それでも口惜しさを精一杯の反抗に変えてそっぽを向いてやる。
――が、
「――殺してねえだろうな?」
「誰が殺すかッ」
無礼極まったもの言いに思わず反論してしまうが、
「そう言うなよ。後々偽装工作が大変なんだからよ。正直に言ってくれよ」
「誰にモノを言っているッ!」
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2005 |
10,01 |
«13»
清正は一通り睨め回して、やれやれと槍を肩から下ろし、身構えた。
どうやら、相手はやる気らしい。
阿蘇や最終決戦ではこの数の比ではない怨霊たちを一人で相手にした清正だ。このぐらい屁ではない――が、
どうもこの状況は納得がいかない……!
交差点で別れた相方。へらへらと笑っていた奴と自分の負担の差が著しく大きくはないか……?
どうしようもなく納得いかない心情が沸々と沸いてくる。
どうもハメられた気がして仕方がない……。
最近、奴と仕事を供にするようになって、思うことがある。
面倒事は――、
どうやら、相手はやる気らしい。
阿蘇や最終決戦ではこの数の比ではない怨霊たちを一人で相手にした清正だ。このぐらい屁ではない――が、
どうもこの状況は納得がいかない……!
交差点で別れた相方。へらへらと笑っていた奴と自分の負担の差が著しく大きくはないか……?
どうしようもなく納得いかない心情が沸々と沸いてくる。
どうもハメられた気がして仕方がない……。
最近、奴と仕事を供にするようになって、思うことがある。
面倒事は――、
2005 |
09,30 |
«12»
「ふん」
――舐められたものだな。
根津耕市こと加藤清正は片鎌槍を両肩で背負い鼻を鳴らした。
ざっと数えて三十人はいるだろうか。
いや、五十名近くのチンピラ共に四方を囲まれている。
ここは公園??それも憑依霊夜露死苦チンピラ共の巣窟だったりする。
勿論、この清正そんなことも知らずに交差点で分かれた相方が指し示しただろう公園に追尾者を誘き寄せたのである??が、
「……」
清正は八の字に眉を下げて軽く息を吐いた。
この場合、誘き寄せられたのは、どちらの方か。
……微妙なところである。
2005 |
09,29 |
«11»
俺はゆっくりと声の主へと振り返り、
「これからは喧嘩吹っかける時は――」
「!」
ああ、オマエのその驚愕の表情で分かる。
「??相手を選ぶんだな」
きっと俺の面は残忍な――、
――夜叉の面(めん)なのだろう。
夜闇に純白の閃光。
ただ、それだけのこと。
後には何も残らない。
残るのは、現実だけ――。
「――……」
俺は胸ポケットから煙草を取りだして加えた。仰ぎ見れば、曇天の空で月明かりもない。
「――さてと」
――迎えに行きます、か。
気を失って倒れたチンピラ共はそのままに俺はその現場を後にした。
「これからは喧嘩吹っかける時は――」
「!」
ああ、オマエのその驚愕の表情で分かる。
「??相手を選ぶんだな」
きっと俺の面は残忍な――、
――夜叉の面(めん)なのだろう。
夜闇に純白の閃光。
ただ、それだけのこと。
後には何も残らない。
残るのは、現実だけ――。
「――……」
俺は胸ポケットから煙草を取りだして加えた。仰ぎ見れば、曇天の空で月明かりもない。
「――さてと」
――迎えに行きます、か。
気を失って倒れたチンピラ共はそのままに俺はその現場を後にした。
2005 |
09,28 |
«10»
声を大にして――、
奴が――叫ぶ……。
(違わない!)
違わないッ!
俺はそうして生きてきた!
――千秋ッ!
うるさいッ!俺を代弁するな!
俺とおまえは――、
――違うから……
所詮、自分たちなど生身の人間と関わっていなければ、存在さえしていられないことぐらい――……。
「――理由はそれだけか?」
「ッ!」
――いやと言うほど味わわせられてきた……。
「それだけなら――」
――俺も暇じゃないんでねえ。
俺はごく自然に腕を下ろす。??と、霊体の何体が跡形もなく消え失せた。
貴様ッと低い唸り声。
奴が――叫ぶ……。
(違わない!)
違わないッ!
俺はそうして生きてきた!
――千秋ッ!
うるさいッ!俺を代弁するな!
俺とおまえは――、
――違うから……
所詮、自分たちなど生身の人間と関わっていなければ、存在さえしていられないことぐらい――……。
「――理由はそれだけか?」
「ッ!」
――いやと言うほど味わわせられてきた……。
「それだけなら――」
――俺も暇じゃないんでねえ。
俺はごく自然に腕を下ろす。??と、霊体の何体が跡形もなく消え失せた。
貴様ッと低い唸り声。
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