2005 |
10,06 |
«18»
勿論、加藤清正さんに対して、だと疑わし気な視線が返ってきて。
「ッ!」
――後に後悔するのは結局清正のほうなのである。
おちょくられているのは解っている……。……解っているのだがッ!
清正はギリギリのところで耐えていた。
――今は仲間……イ・マ・は・ナ・カ・マ――ナ・カ・マッ……!
と、
言い聞せても――。
清正は嘆息して、肩を落とした。
しかし、コレを四百年間、景虎が相手にして来たのかと思うと――……。
(わしはこんな部下いらんわッ!)
どうにも景虎といい、謙信といい、上杉は並大抵の度量ではなかったようだ。
「ッ!」
――後に後悔するのは結局清正のほうなのである。
おちょくられているのは解っている……。……解っているのだがッ!
清正はギリギリのところで耐えていた。
――今は仲間……イ・マ・は・ナ・カ・マ――ナ・カ・マッ……!
と、
言い聞せても――。
清正は嘆息して、肩を落とした。
しかし、コレを四百年間、景虎が相手にして来たのかと思うと――……。
(わしはこんな部下いらんわッ!)
どうにも景虎といい、謙信といい、上杉は並大抵の度量ではなかったようだ。
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2005 |
10,05 |
«17»
清正は咄嗟に何かを言い返そうとして肺を膨らませた。だが、上手い反撃が見当たらない!
そうだった…コイツはこういう奴だったのだ。どっちに転んでも癪に障って――、
「ふん、貴様の助けなどいらぬわッ!」
と言い返すのが清正にとって精一杯だった。それでも口惜しさを精一杯の反抗に変えてそっぽを向いてやる。
――が、
「――殺してねえだろうな?」
「誰が殺すかッ」
無礼極まったもの言いに思わず反論してしまうが、
「そう言うなよ。後々偽装工作が大変なんだからよ。正直に言ってくれよ」
「誰にモノを言っているッ!」
そうだった…コイツはこういう奴だったのだ。どっちに転んでも癪に障って――、
「ふん、貴様の助けなどいらぬわッ!」
と言い返すのが清正にとって精一杯だった。それでも口惜しさを精一杯の反抗に変えてそっぽを向いてやる。
――が、
「――殺してねえだろうな?」
「誰が殺すかッ」
無礼極まったもの言いに思わず反論してしまうが、
「そう言うなよ。後々偽装工作が大変なんだからよ。正直に言ってくれよ」
「誰にモノを言っているッ!」
2005 |
10,04 |
«16»
それも癪なことに、この加藤清正……不覚にも言われるまで、忘れ果てているのであった。
「案外、時間かかったな」
悠然とチンピラ共の死体(注・気を失っているだけです)を踏み越えてやってくる。
「遅いぞ!安田ッ」
その歩く姿はあまりに堂々としていて、さながらモデル並みだ。いや、そんじょそこらのモデルではきっと敵わないだろう。
「十五分前からいるぜ」
――それとも、
「手助けが欲しかったか?」
「!ッ――……」
思わず両眉を撥ね上げた清正だった。
そう万全を尽くしたはずなのに抜かりなく清正の神経逆撫でる攻撃ッ。
「案外、時間かかったな」
悠然とチンピラ共の死体(注・気を失っているだけです)を踏み越えてやってくる。
「遅いぞ!安田ッ」
その歩く姿はあまりに堂々としていて、さながらモデル並みだ。いや、そんじょそこらのモデルではきっと敵わないだろう。
「十五分前からいるぜ」
――それとも、
「手助けが欲しかったか?」
「!ッ――……」
思わず両眉を撥ね上げた清正だった。
そう万全を尽くしたはずなのに抜かりなく清正の神経逆撫でる攻撃ッ。
2005 |
10,03 |
«15»
――へえ。まだ片付いてないのか。
と嘲り、
――手伝ってやろうか?
と言うに決まっているのだッ。
なんだか想像だけで腹が立ってくる。
清正は、腹の底から声を張り上げた。
「ええーィイ!」
そんなことを言われるのも癪だから――、
天に高らかと槍を振り上げ――ダンと地面に柄を立てる。
「面倒だ!まとめてかかってくるがよい!」
どうもヘラヘラ笑っている顔が許せんッ!
根本的に知っている夜叉衆の面々とは、性質が異なる奴は、
片付いていようと――、
――ご苦労さん。
とかなんとか……、
澄まして言うのだ!
と嘲り、
――手伝ってやろうか?
と言うに決まっているのだッ。
なんだか想像だけで腹が立ってくる。
清正は、腹の底から声を張り上げた。
「ええーィイ!」
そんなことを言われるのも癪だから――、
天に高らかと槍を振り上げ――ダンと地面に柄を立てる。
「面倒だ!まとめてかかってくるがよい!」
どうもヘラヘラ笑っている顔が許せんッ!
根本的に知っている夜叉衆の面々とは、性質が異なる奴は、
片付いていようと――、
――ご苦労さん。
とかなんとか……、
澄まして言うのだ!
2005 |
10,02 |
«14»
(体よくわしに押し付けてないか!?)
あの男――……。
どうもそんな気がしてたまらない。
あまりの不信感に一度接触読心を試みたことがあるが??、
その行動の半分は故意で半分は偶然のようであり、
けれど、何故か憎めない。
千秋修平??いや、安田長秀という男は、
まったく??、
(掴めない漢だ)
不意にニヤリと清正が笑んだことが合図となり、やっちまえッ!とばかりに念波とチンピラ共が襲いかかってくる。
「百年早いわァァア!!」
雄叫びとともに槍から繰り出した閃光がチンピラ共を薙ぐ。
そして、奴はこの現場について、
あの男――……。
どうもそんな気がしてたまらない。
あまりの不信感に一度接触読心を試みたことがあるが??、
その行動の半分は故意で半分は偶然のようであり、
けれど、何故か憎めない。
千秋修平??いや、安田長秀という男は、
まったく??、
(掴めない漢だ)
不意にニヤリと清正が笑んだことが合図となり、やっちまえッ!とばかりに念波とチンピラ共が襲いかかってくる。
「百年早いわァァア!!」
雄叫びとともに槍から繰り出した閃光がチンピラ共を薙ぐ。
そして、奴はこの現場について、
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