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だ、駄文

二次創作のくだらない駄文置き場
2024
11,27

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2005
10,15

«27»

雲っていた空はいつのまにか晴れ、静かに月を湛えていた。
「さーてと、――飯でも食いにいきますか――」
隣行く男の視線が捉える景色は夜も眠らないネオン街。
今も眩しく現実を覆い隠している。
色とりどりに眩しく瞬く光はこの男によく似合う。
きらびやかに煌めく中にある譲れないモノを見据えた、

――揺るがない双眸。

清正は口端を綺上持ち上げた。
悪くはない、と思う。

その男の隣を歩くのも――悪くはないだろう。
「ああ、運動したしな。腹が減ったぞ。東京の名物とは何だ?」
悪くはないだろう――が、
「名物ねえ」
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2005
10,14

«26»

それどころか――、
(この男もまた――)

――過去を見ていない眼差し。どんな苦難も乗り越えてきた人物だけが得られるしなやかな強靭さ。

清正の、シャツを鷲掴む手から力が抜ける。一度付いたシャツの皺はそう簡単には戻らないが、それでも元の形状にゆっくり戻っていこうとして――。

――この男もまた、

清正は前を行く男と肩を並べるために一歩を踏み出した。

(景虎を――支えてきた漢――)

それは何も直江信綱だけではないのだ。
盟友の軌跡を最も長く、間近で見続けた人物の一人。
清正は顎を引いた。
2005
10,13

«25»

ブレザーの制服姿の黒髪の少年が隣を歩いて、小突きあっていた。互いが互いを信頼しあっていて――。
清正は目を細めた。
勿論、その光景を清正がこの世で見る機会は失われた――が、
(この男にもおまえは棲んでおるのか――)
約数十年が経った。そう……――あれから随分時間は流れたのに――。
「……」
思い出せば胸を焦がす想念。いまだ風化しきれないその熱情に突き動かされて、清正は己の胸に手をやった。

「どうした?清正」
置いていくぞと笑って言いのける男。
「ああ」
清正へと向けられる表情にはかげりがない。
2005
10,12

«24»

すると、突然……簡単に読めていた奴の思考が読めなくなった。
「木魚」
――聞こえたか?
「……貴様」
「いやあ、便利だよなあ。接触読心って~」
「本心ではないなッ」
ふっと奴は笑みを消した。
「舐めんな。伊達に四百年間ヤツラ主従の気にあてられてきたんじゃねえぜ」
まあ、アイツの思考なんて見たくはないがと付け加えられて強く背を押された。
――無風に風が産まれる錯覚。澱みなく現実に関わる実感。
さあ、行くぞと誘われて共に歩みだし、先行く男の背を見て――、
ああ、そうかと清正は思った。

覗いた記憶の断片は――……。
2005
10,11

«23»

「……」
「――まさか……」
(察しのいい奴め……)
ま、……そういうこともあるさ、肩に腕を回してきた。
励まされるように叩かれていて、案外痛い。叩かれる度に流れ込む思考は――……、
チーン……
木魚の規則正しい音。
聞き慣れたお経と
ご愁傷様という憐れみだった??が、
「……安田」
ばっと手が離れた。非常にわざとらしく……。
「――本当にそう思っているか?」
逃げた腕を強く掴み相手を振り返えらせる。
流れこんできたものがリアルすぎて確かめずにはいられなかった清正だ。

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