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だ、駄文

二次創作のくだらない駄文置き場
2024
11,27

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2005
11,18
佐々木と青年。たぶん、歳はそう変わらないだろう。二十五、六といったところか。せいぜい高くても七、八、まず三十の大台は乗っていないだろう。
「いや、あんたが生きているとは思わなかったから……」
「……」
佐々木は眉をひそめた。
「なんつーか」
青年は眼鏡のブリッチを軽く持ち上げた。
「??驚いている」
「……」
この青年は何を言いたいのだろうか。佐々木には意味が解らなかった。
生きているとは思わなかった?それは先程巻き込まれた事態で死んだと思ったということなのか。
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2005
11,18
夏場ならその仄暗い光に雑多な羽虫が群がっているだろうに。だが、しかし??今は冬だ。そういった虫は、余りいない。
「……。――大丈夫か?」
しばらくして青年の、視線がひたと佐々木を捕らえた。
妙な沈黙を破り、先に声をかけたのは青年のほうである。ちらちらと佐々木をうかがうのを止めて、破顔して手を差しのべてくる。
「――ああ」
その手を取り、佐々木は立ち上がった。
「怪我は?」
「――ない、と思う」
「そうか」
佐々木は尻をぱんぱんとはたき、埃を落とすのを青年はじっと眺めている。
「何?」
2005
11,17
それだけの行動で絵になる人物はそうはいない。乱れた髪さえも彼を飾るアクセサリーにすぎなく思えるほどに。
その青年がこちらを見ている。何か言おうとしたのか口を開いたが、閉じるとともにがしがしと髪をかきあげた。
それから、再び青年はちらりと佐々木を見たが、今度はうつむかず仰のいでしまった。だから、尻餅をついて座ったままの佐々木には到底、青年の表情を知る由はない。
二人を照らす街灯は仄かに揺れている。消えることのない光は微妙明るさを変えて独特のリズムを刻でいる。
2005
11,17
今の今まで佐々木の腕の中に収めていた青年からまばゆい気炎が立ち昇る。
「我に御力与え給え!」
佐々木は呆然と青年を見つめていた。自分の腕から離れて凛と立つ青年がすること、――それは、
「――……調伏!」
彼の手の内に産まれた純白の光が膨れ上がり全てを呑み込む。
「……」
佐々木はゆっくりと周囲を見渡した。
後にはなにも残されない。残っていない。
何故かそれが当然に思えることが佐々木自身不思議であった。
そして――、
月明かりに照らされる青年。
彼はゆっくりと身体ごとこちらへ振り返った。

2005
11,17
とにかく佐々木にとってこの力で他人を守る行為は未知数のことで、自分自身把握しきれていない力にこの状況を長いこと頼ることは危険度が高い。
「……は、やく、……もた、な……い……!」
「!」
不意に佐々木を襲う衝撃が和らいだ。
「ナウマク・サンマンダ・バイシラマンダヤ・ソワカ……」
佐々木は導かれるように衝撃に耐えて冥っていた目を僅かに開けた。
「南無兜抜毘沙門天!」
朗々とした響き。佐々木は思わず青年から身体を離した。
やはり目の錯覚ではない。青白いオーラが見えたのは。

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